2025年05月09日
エアコン(AC)更新工事②
こんにちは!
前回ブログの事前工事編から続いて、今回はエアコン更新工事の具体的な施工内容についてご紹介しようと思います

こちらのご自宅では、これまで天井に埋め込まれたタイプのエアコンをご使用されていましたが、現場調査を行った際に、その既設エアコンから冷風が出てこないという不具合が確認されました

エアコン自体の起動やリモコンによる操作には特に問題は見られず、運転を開始すると通常どおり風はしっかりと吹き出していました

ですが運転中に出てくる風はずっとぬるいままで、設定温度を下げても冷たい風が出てきていません。
このような状態が継続しており、エアコンとして本来期待される冷房機能がまったく発揮されていない状況でしたので、機器自体には動作上の大きな異常は見受けられないものの、冷房能力に関しては明らかに不具合が生じていると判断いたしました

既設エアコン・室内機



中の状態


リモコン


また、屋外に設置されている室外機についても、海からの潮風が良く通る風通しの良い立地条件などによる塩害の影響で、表面にひどい錆が発生している状態でした

既設エアコン・室外機




これらの状況を総合的に判断し、既存のエアコンのままでは十分な冷房暴力を発揮できない為、新しいエアコンへの更新が必要であると考えました

そのため、今回エアコンの更新工事を実施しております

また、既設エアコンの室外機についてですが、お客様ご自身もその錆のひどさを非常に気にされていたご様子でした

実際にお話を伺った際には、この室外機は沖縄のような沿岸地域では特に必要とされる「塩害仕様」のものではないということをお聞きしています

あまり聞いたことが無いという方もいると思いますので、ここで、「塩害仕様」とはどういうものなのか簡単に説明しようと思います

「塩害仕様」とは、海に囲まれている地域特有の環境に対応するためのもので、専用の塩害対策塗装を施した仕様のことです。
沖縄県のように四方を海に囲まれた地域では、独特の気象・環境条件があります

特に本州などと比較すると、海からの潮風が一年を通して頻繁に屋外の建物や機器に直接当たりやすい環境となっています

そのため、潮風に含まれる塩分を含んだ湿気が、屋外に設置されている家電や設備の金属部分、特にエアコンの室外機などに付着しやすくなります

このようにして付着した塩分は、時間の経過とともに金属の表面を腐食させてしまい、いわゆる「塩害」と呼ばれる現象を引き起こします

塩害が進行すると、金属部分が激しく錆びてしまい、機器自体の耐久性や性能に深刻な影響を及ぼしてしまいます

特に屋外に設置されるエアコンの室外機などは、直接外気にさらされるため、塩害によるダメージを受けやすい代表的な設備と言えます

そのため、沖縄のような沿岸部では、本土で一般的に使用されている通常の室外機ではなく、専用に塩害対策の塗装やコーティングが施された「塩害仕様」と呼ばれる特別な室外機の設置が推奨されています

「塩害仕様」の室外機は、塩害の進行を極力抑えるため、金属部分に防錆機能を高める加工を施しており、沖縄など特に塩害リスクが高い地域では不可欠な設備となっています

このような仕様を選ぶことで、長期間にわたり安心して機器をお使いいただける環境を整えることができます

しかし今回のご自宅の既設エアコンの室外機は、残念ながらこの「塩害仕様」ではなく、一般的な防錆性能しか持たない通常の仕様のものでした

そのため、設置から時間が経つにつれて、潮風の影響を大きく受け、通常よりも錆の進行が著しく、腐食の状態がより深刻になってしまったと考えられます

こうした背景から、今回のエアコン更新工事では、今後の耐久性および安全性を十分考慮した上で、適切な塩害対策が施された室外機への交換をご提案させていただきました

沖縄県では、なぜ通常のものではなく「塩害仕様」が推奨されているのかこの説明でおおまかな理由が伝わっていれば幸いです

施工内容について続けてご紹介していきます

まずは、作業前に周囲の養生を行いました

養生後の状態




エアコンの撤去・取付作業の際に、室内に汚れを落としたり持ってくることが無いように、作業範囲内をしっかりとシート等で養生して保護しています

今回は、お客様より「これまで使っていた天井埋込型ではなく、壁掛けタイプのエアコンに変更してほしい」というご要望をいただいております。
そのため、既設の天井埋込型エアコンを撤去し、新たに壁掛けタイプのエアコンを設置することとなりました

また、前回の記事でもご案内した通り、今回は窓の一部を利用してエアコンを取り付ける施工を行っています

始めに、この新しく取り替えたアルミ複合板に穴を開ける作業から入ります

なぜ、穴を開けるのかというとエアコンを新たに設置する場合には、室内機と室外機をつなぐための配管を通す必要があるからです

そのため、まず最初に「配管穴」と呼ばれる穴を、設置場所となる壁や窓枠の適切な位置に開ける作業から始めます

配管穴を開けているところ


作業後


この「配管穴」は、エアコンの冷媒配管やドレンホース、電源ケーブルなどが室内から室外機へとスムーズに通るために必要不可欠なものです

窓の一部を利用した設置の場合でも、配管のルートを確保するためには同様に穴を開ける工程が入ってくるという事です

穴を開ける際は、周囲の建材を損傷しないよう慎重に位置決めを行い、必要最小限の大きさで開口することが大切になってきます

配管穴を開けた後は、の工程として、エアコン本体をしっかりと支えるための「据付板」を取り付けていきました

アルミ複合板部には、さらに補強をしていくために前回施工した、アングル材(L字型の金属補強材)が取り付けられています

このアングル材は、アルミ複合板だけでは支えきれない重量や振動にも耐えられるように設置されており、エアコン本体を安全かつ確実に取り付けるための土台となります

据付板の取付前に測って位置調整しているところ


据付板取付後


据付板は、この強化されたアングル材の上にしっかり留めて、ズレやグラつきが生じないよう確実に固定します

こうして下準備を整えることで、エアコンの運転による振動や長期間の使用にも耐えられる状態になります

次は、更新機器である、室内機を取付する段階に入りました

室内機を壁に取り付ける前に、まずは本体から伸びている電源ケーブルや冷媒管など複数の配管類をまとめている部分の処理を行います


処理後の写真


これらの配管は、そのままでは見た目が乱雑になったり、設置後のメンテナンスや安全面に支障をきたす恐れがあるため、専用のテープを使って1本1本ていねいに巻いていきました

この作業によって、配管部分が整理されるだけでなく、断熱や防露、さらには耐久性も高めることができます

そして、アングル材の下部に設置されている金具の周囲には、コーキング処理を施しました

コーキング処理を行う前に、まず金具やその周辺に付着している作業中のくずやホコリなどを取り除き、清掃を行いました。
次に、コーキング材がはみ出さずきれいに仕上がるよう、金具のまわりをマスキングテープでしっかり養生しています

処理前



処理後


平行して、室外機の設置作業を行っています

作業の最初のステップとして、これまで使用されていた既設の室外機を取り外し、撤去しました

撤去した既設の室外機


撤去後の状態


今回、お客様からのご要望により、天井部分に設置されている既設の室内機については、撤去や塞ぎの処理をせずに、そのまま残すことになりました。
万が一にも外部からの雨水やホコリが室内に侵入することがないよう、室外機と関係する配管の取り出し部分や取付部など、必要な箇所にはしっかりと防水および気密の処理を施しています

具体的には、露出している隙間にコーキング材を充填し、細部にまで注意して施工を行うことで、今後の不具合を未然に防ぐ対策をとっています。

新しいエアコンは設置箇所が違うので、別の箇所で更新機器の室外機を設置していきました
更新機器の室外機の品番


取付作業中


室内機と室外機を繋ぐ配管部分を繫げる作業を行っています。
具体的には、室内機から出ている冷媒管やドレンホース、電源ケーブルを、室外機側の対応する接続部分へつなげていきました

各配管がしっかりと固定されているか、また気密性や断熱性に問題がないか確認しながら作業を進めています

こうした配管作業が完了することで、エアコンの冷暖房機能が正常に作動するようになるというわけです

室外機の設置が完了した後は、エアコン工事において重要な「真空引き」と呼ばれる作業を行います

真空引きとは、冷媒配管内の空気や水分、不純物を専用の真空ポンプを使ってしっかりと取り除く工程です。
この作業を丁寧に行うことで、配管内部が完全に真空状態となり、エアコンの運転時に冷媒ガスが正しく循環し、機器本来の性能が十分に発揮できるようになります

また、内部に水分や不純物が残ったままだと、故障や効率の低下といったトラブルの原因となるため、真空引きの工程はエアコンの更新工事において欠かせない大切な作業といえます


真空引き作業は、配管内の空気や水分をしっかり除去するために、一定の時間をかけて丁寧に行う必要があります

そのため、真空引きを行っている間に、並行して配管穴の屋外側の処理作業を進めました

具体的には、配管が通っている穴の周囲に隙間ができないよう、ボンドウレタンなどの充填剤を使用してしっかりと埋めています



配管部全体の写真


この作業により、配管周りをきれいに塞ぎ、雨水やホコリ、害虫の侵入を防ぐとともに、断熱性や気密性も高めることができます

こうした細部まで処理を行うことで、安心して長くご使用いただける環境を整えています

また、上の全体写真から分かるように、今回のエアコン設置における配管は通常のように垂直にまっすぐ下へ降ろす形をとらず、窓から壁にかけて斜め方向へ伸び、そのまま室外機へと接続されています

これは、窓部分と壁部分の間に奥行きの段差が存在しているためです

この段差の影響で、もし配管を無理に真下へ一直線に延ばそうとすると、配管自体に急な角度の曲げ加工を加えなければならず、冷媒の流れが悪くなるほか、配管の破損や寿命の低下といった不具合の原因となる可能性があります

エアコンの配管では、極端な角度で無理に曲げることは推奨されていません

そこで、壁と窓の高低差や奥行きの違いを考慮し、配管ができるだけ緩やかなカーブで下へ降りるよう、斜めに配管ルートを設けています

こうすることで、配管に余計な負担をかけることなく、エアコン本来の性能を十分に発揮させることができる形となっています

続いて、室外機の取り付け作業が完了した後、電圧の確認作業を行いました

今回は、既存の設置場所から窓側へエアコンを新たに取り付ける工事内容となっているため、電源の確保のために必要な電気工事も同時に行っています

電源が正常に機能しているか、またエアコンの運転に支障が出ないかをしっかりと確認するためには、室外機側で電圧を測定し、規定の数値が出ているかをチェックすることが大切です


このように、設備の安全性と安定した動作を保証するため、更新工事の流れの一環として電源の通電確認と電圧チェックの作業も行いました

電圧が規定の正常な値であることを確認できたため、エアコンを安心してご使用いただける状態であることが分かりました


真空引き作業も特に問題なく無事に完了したため、続けてエアコンの試運転を行いました

試運転では、しばらくエアコンを稼働させて動作状況を観察しています

その結果、一定時間が経過した後にドレンホースから排水が行われていました

排水確認


これはエアコンが正常に冷房運転し、内部で発生した結露水が正しく排水されている証拠です

これら一連の確認によって、今回の施工に問題が無く、エアコンが安全かつ快適にご利用いただける状態であることを証明することができました

室内機取付完了の状態


室外機取付完了の状態


これですべてのエアコン更新工事の施工が無事に完了となりました

最後にお客様ご本人にも、実際に設置状況や運転状態を見ていただき、問題がないことをご納得いただくことができました

並行して進めていた作業道具や養生資材などの片付けを行い、現場全体の清掃を行っています

こうして最後まで安全かつ円滑に作業を終えることができて良かったです

今回は、エアコンの更新工事を行いました

この度は弊社へご依頼いただきありがとうございます

弊社では、現場調査を行った際にお客様に内容をお伝えして、どのような工事内容がおすすめか相談してご希望に添える形で提供できるよう努めております

どういった機種がいいかわからない、どんな内容で依頼したらいいのかわからないといった心配事も問題ございません

何かご依頼を検討中の方がいましたらぜひお気軽にご相談くださいませ

お問い合わせはこちら!


有限会社システム光
TEL:098-880-9536
MAIL:system-hikari@hotmail.co.jp
HP:https://www.system-hikari.co.jp/
また、弊社ではLINEの公式アカウントを開設しております


直接現場調査に立ち会う必要なく、「オンライン調査」でさくっと簡単に御見積やご相談が可能です

ですので、内容だけ聞きたいといった方や、現場調査までしなくても内容だけで御見積を依頼したい方、平日が多忙で時間の調整が厳しい方におすすめです

弊社の公式ラインのお友達追加からオンライン調査が可能です


弊社公式LINE
①リンク先からの追加

https://lin.ee/gJpDYBe
②QRコードからの追加


他にも、公式ホームページサイトからもご案内していますのでどちらからでもお友達追加が可能です


ホームページリンク先

https://www.system-hikari.co.jp/
この機会に、追加からでもお試しいただけるとうれしいです


それではまた~

プロフィール

(有)システム光
カテゴリー
最新記事
過去記事
最近のコメント
ArtLink Co.,Ltd. / 南城市大里新築電気工事 完工
代表戸締り役! / 単相三線式切替工事!
(有)システム光 / 雷&ヤモリ対策!
浅野誠 / 雷&ヤモリ対策!
(有)システム光 / マヌカハニー
ブログ内検索
QRコード

アクセスカウンタ